※本記事は、信頼できる情報源を参考にしながら執筆していますが、内容の正確性や最新性を保証するものではありません。ご理解いただいたうえでご活用ください。
「年収106万円の壁」という言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?
これは、パートやアルバイトなどの短時間労働者が厚生年金・健康保険に加入するかどうかの分かれ目となる収入ラインのこと。
この壁があるために、手取り収入が減ってしまうのを避けるため、あえて働く時間を調整している人も多く存在します。
そんな中、国はこの「106万円の壁」を2026年10月までに撤廃する方針を打ち出しています。
この記事では、この制度変更の内容や背景、メリットと注意点について、わかりやすく解説します。
✅ 「年収106万円の壁」とは?
現在の制度では、以下の5つの条件すべてに当てはまると、厚生年金と健康保険(社会保険)に加入する必要があります。
▶ 厚生年金の加入要件(現在)
1. 週の所定労働時間が20時間以上
2. 賃金月額が8万8,000円以上(年収約106万円)
3. 勤務期間が2か月を超える見込み
4. 学生ではない
5. 従業員が51人以上の企業に勤めている
✅ 今後どう変わるの?
政府は、以下の2つの大きな要件を段階的に撤廃する方針を示しました。
◼️【1】年収106万円(賃金月額8万8,000円)要件を撤廃
・2026年10月に撤廃予定
・対象者の範囲が広がり、短時間でも働く多くの人が社会保険に加入しやすくなります
・これにより、約200万人が新たに加入対象になる見込みとされています
◼️【2】企業規模(従業員51人以上)要件も撤廃へ
・2027年10月から段階的に廃止予定
・少人数の企業に勤めるパートやアルバイトも社会保険に加入できるようになります
・将来的には、個人経営の事業所や非適用業種まで対象が広がる可能性もあります
※なお、「週20時間以上」「学生でない」などの要件は今後も継続する見通しです。
✅ 加入によるメリット
「保険料を払うのイヤだな…」と思うかもしれませんが、社会保険に加入することで得られるメリットも多いです。
▶ 厚生年金に加入すると…
・将来もらえる年金が基礎年金+厚生年金の2階建てになる
・保険料は会社と折半(自分が全額負担ではない)
▶ 健康保険に加入すると…
・傷病手当金や出産手当金などの給付が受けられる
・被扶養者として配偶者や子どもを保険に入れられる
⚠️ 加入による注意点(デメリット)
一方で、知らずに要件に当てはまってしまうと「手取りが減る」という落とし穴もあります。
▶ 社会保険料が差し引かれる
・月額8,8000円以上になると、給与から社会保険料が天引きされる
・加入条件を知らずに働いていて、いきなり手取りが減って驚くケースも
▶ 「扶養から外れる」ことにも注意
・配偶者の扶養に入っていた人は、自分で保険に入ることになり扶養から外れる
・世帯全体の収入バランスにも影響が出る可能性あり
※政府は、制度改正で手取りが減る人への負担を軽減するため、一時的に企業が保険料を肩代わりする補助策も検討しています。
🐷トレピグのひとこと(管理人の見解)
「106万円の壁」って、個人的には働く意欲を奪ってしまう壁だと思ってました。
「これ以上働くと損だから」とあえてセーブするのって、本来はすごくもったいない。
今回の見直しは、そんな人たちがもっと自由に働ける環境づくりにつながる良い方向性だと感じます。
ただし、制度変更で得をする人・損をする人が出てくるのも事実。
特に「気づいたら扶養から外れてた…」なんてことにならないよう、正しく理解して備えることが大事ですね。
✅ まとめ
・「年収106万円の壁」とは、社会保険への加入を判断する収入の目安
・2026年10月までに賃金要件(年収106万円)は撤廃予定
・2027年10月以降、企業規模要件も段階的に廃止へ
・社会保険に加入すると将来の年金や保障が充実する一方、手取りが減ることもあるので注意が必要
・対象者は約200万人増加する見込み。事前に制度変更の影響を確認しておきましょう
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